ル・プリウレ・ドルサン修道院はベリー地方に位置する魅惑のモナステリー・ガーデン。かつての修道院跡の建物を一部修復した建築家カップルが、併せて中世の庭をイメージして作庭したガーデンです。昨年秋に初めて訪れてから、何度でも来たいほどに気に入ってしまい、再訪の機会を狙っていました(笑)。
バラと芍薬の季節を待つ
5月のフランスといえば、フジの花の盛りが過ぎて、バラや芍薬の季節が到来する頃。まだちょっと早いのは承知で、近くを通る機会があったので、どうしても様子を見たくて、無理矢理立ち寄ることに(このために1時間余計に運転してくれた相方に大感謝)。
結果はやはり早過ぎでした。が、気持ち良い新緑に囲まれて、たくさんの膨らんだ蕾を見ると、ガッカリというよりは、ああ、もうすぐ咲いてくるのね〜、と、花自体を見る前に嬉しくなって来てしまうのは不思議なものです。
ポタジェの一角で少しだけ咲き始めていた芍薬がこちらです。
そして、メイズ(迷路)の通路にも、早咲きの芍薬が華を添えています。まだ花の少ない時期、まさに天国への道標のよう。
早咲きのバラ〜聖母のバラ園
そして、バラ園もやはりタイミング早過ぎでした。でも、少し寂しいものの、素朴に木材で作られたアーチで構成された空間は素敵。
そして!こちらでもひっそりと咲き始めていたバラがあります。
ガートルード・ジーキル(Gertrude Jekyll)、姿形も色あいも香りも素敵なイングリッシュ・ローズ。さすがジーギルの名前がついてるだけのことはある。イングリッシュ・ローズの中では比較的育てやすい種類なのだそうですが、他のバラに先んじて一番乗りで咲いてくれるのは庭に有難いですね。
そしてこちらのほのかにローズがかった白いつるバラ、マダム アルフレッド キャリエール(Mme. Alfred Carrière)。こちらもデビッド・オースティン作出のイングリッシュ・ローズで、うつむき加減に咲く姿は儚げで上品、香りも素敵。
百花繚乱になったバラ園は圧倒的ですが、そうでなくとも、静かにバラの季節の到来を感じられる、早咲きのイングリッシュローズに出会えたは眼福でした。そして繊細な香りが素晴らしい。
5月はオダマキの季節
一方、バラ園の隣の花壇では西洋オダマキ(Aquilegia)の群生が見事に花盛り。花が大きなものや様々な色合いの八重咲きの栽培種が、みんな可愛い。
こちらはBlack BarlowAquilegiaかな。
ミヤマオダマキのような和のオダマキのシンプルな凛とした様子や、ぽつん、ぽつんと咲いている姿も好きでしたが、種が溢れたように群生になってるのも、柔らかなカラーもニュアンスカラーもおしゃれで素敵。次シーズンは絶対種まきしよう〜。
日本に比べると春の進行が少し遅いフランスの5月初旬の花暦でした。他にはアヤメなども良く見かけます。
それと、少しずつ草花が育ち始め、モサモサになる前のタイミングの今は、却って庭の構造をしっかり観察するのには良い時期かなと思います。5月初めのポタジェの様子も続きでお伝えしますね。
訪問日:2024.05.06
ル・プリウレ・ドルサン修道院の庭
Le Priuré Notre-Dame d’Orsan