庭の花を飾る、と聞くとそれだけでワクワクしてきませんか?
庭の花を飾るためのパリスタイル・フラワーレッスン
しかもなんと、ベルサイユの伯爵夫人宅でのサロンで、庭の花を飾るパリスタイルのフラワーレッスンを発見!教えてくださるのは、パリのトップ・フローリスト、斉藤由美先生。伯爵夫人のお宅の庭の花を切り出し、フラワー・レッスン後は、美しくデコレーションされた食卓でのランチと、盛り沢山のゴージャス企画です。
野原や森を歩いていて見かける花々や、庭先で咲いてくれる花々は、その姿を見るだけで嬉しくなってしまいます。見るだけのことも多いけれど、お花屋さんの花ともちょっと違った、野趣を感じる姿がなんとも好きで、これまでも、季節の野の花や庭の花を摘んでは嬉々として家の中に飾っていました。
植物それぞれが魅力的なので、技術がなくともなんとかなりそうな、でもやっぱり限界があるような。また、飾るところまで考えたら、どんな草花が庭にあると使い良いのだろうか、などフラワー・カッティングガーデンの植栽のチョイスのヒントにもなりそう。などと様々考えていたことは小さなことだったのかも、とレッスンに参加してみたら、ただただ至福の庭時間でした。
器も花も自由に
まず、庭の中で切っても良い花や緑を確認。秋の紫陽花が最盛期だったので、メインは色付き始めたアンティークカラーの紫陽花に。合わせる緑には、様々な低木類の若い枝がほぼ何でも使えるようです(棘や毒性には注意)。蔓延ってきて困るツタの蔓なども使い勝手の良い素材。剪定を兼ねてどんどん切っても、また直ぐ伸びてきますので心配ご無用。
また、花を活けるのは、専用の花瓶でなければならない、と言うことはまったくありません。この辺は意外と皆さんも日常生活ですでに実践されているかも知れません。
花瓶がなければジャムの空瓶とか、グラスとか、器であれば何でも活躍の可能性ありです。レッスンでは、水差しや美しいアンティークのソーサーやスーピエール(スープをサーブするための器)が使われ、よりエレガントな、テーブルのデコレーションにもピッタリの、通常の花瓶よりもさらに素敵なアレンジメントに。
アンティークの深皿にツタのリースと紫陽花、野バラの実など。
先生がにこやかにお話しされながらも、手元は大胆に繊細に動き続けて、先ほど一緒に庭で採取した草花があっという間に素敵なアレンジメントに変身していくのを見守るのは、魔法を見ているみたいにワクワクします。超一流のセンスと技を、このように身近に見ることが出来るのは本当にラッキーでした。
アンティークカラーの紫陽花に様々な緑の枝を加えたシャンペートル・スタイルのブーケ。水をたっぷり注いだガラスの花瓶の中にも蔦を廻らせているのがまた爽やか。この日はベルサイユも30℃超えだったのが、グッと涼しい気分になります。
プロが扱う商業施設や結婚式の装花などとは違って、お家で自分で楽しむ花は、水がなくなったら足せばいいのだし、傷んでしまったら変えればいいのだし、自由に思うように、やってみれば良いと言う由美先生のお話に深く頷きました。本当にそう。家で飾る草花は、こうでなければ、ああでなければ、という思い込みは捨てて、自由に楽しむことができる絶好のチャンスです。自分の感覚を最大限自由にして草花と対話する、これが楽しさと創造性の秘訣です。
ポイントは下準備
技術がないなりに楽しむといっても、最低限の重要ポイントもあって、その一つが下準備。フランス語ではネトワイエ(nettoyer)すると言うそうで、掃除するとか綺麗にするという意味ですが、まず摘んだ植物の葉をある程度取って、茎の切り口を基本的には斜め切りで、たっぷりの水につけて水揚げします。花屋さんに並ぶ花はすでにこの下準備が出来ているもの。紫陽花の場合は、葉っぱはほとんど取りました。
草花は生き物ゆえに、水揚げは命で、いきいきとしていることはとても大切です。植物の性質によって、簡単なものも難しいものもあるようです。紫陽花は、茎の下方を長めに斜めにナイフでカット、茎の中心が綿状になっている部分を取り除き、まずは頭の花の部分をばさっと水につけて、その後茎を下にしてたっぷりの水につけるとしっかりと水揚げできるそう。
蔓や葉っぱの枝は下方半分ほどは葉っぱを取り除いて下準備をします。
葉っぱを取ってしまうと勿体ないとか、可哀想と言う声が出たりもするそうですが、料理するときの事を思い出してみてね、という先生のコメントにも納得。確かに、使わない部分はどんどん切ったりしますよね。造形要素として要らない葉っぱを取り除くことで、姿はよりスタイリッシュになり、生命維持のために余計な水分も要らなくなります。今の時期、花は終わって種になりつつあるノラニンジン(カウパセリ)なども、葉っぱをとるとずっとスタイリッシュなイメージに飾れるそう。これは試してみなければ。
こちらは参加者それぞれが束ねた庭の花のブーケを様々な器に。みんな素敵♪どんどん、迷いなく束ねていくのかポイントのようです。スパイラルに束ねていくのですが、きれいに丸くなってなくても、それはそれで味わいです。
庭の花でおもてなしの食卓
あっという間にレッスンから、お楽しみのランチへ。庭でのデモンストレーションで作ったアレンジで美しく飾られた食卓は、実にエレガントでため息が出るようです。
伯爵夫人の手作りの美味しいランチを頂きつつ、美術やアンティークの磁器などに造形の深い方も多く、興味深いお話を伺いながらの楽しい時間を過ごします。おもてなしのアイディアが散りばめられていて、次にお客さまをもてなす機会に向かって、やる気が出ました(笑)。
思いきり自由に楽しむ
心を自由に、草花と一緒に思い切り楽しむ!お家で庭の花を飾るとき、野の花を飾るときは、さらにはお花屋さんの花も、これに尽きるのであろうと、ますます楽しくなりました。庭の草花は、日常をさらに美しく豊かにしてくれます。心を自由に草花と向き合うことは、豊かな癒しのひとときでもあります。機会があれば逃さずに満喫しましょう♪
最後に、この素敵なフラワーレッスンを企画くださった、エレガントに生きるための数々の著作もおありのベルサイユ在住のドメストル美紀先生とパリの斉藤由美先生のインスタグラムはこちらです。このレッスンのことだけでない様々な美しい景色に出会えるかと思います。ご興味ある方はお名前のところをクリックしてみてくださいね。
本日の庭時間の締めくくりは、蔦にとまっていたてんとう虫くんで。