今年のフランスは、各地で大雨だったり、暑かったり、寒かったり、と落ち着かない天候が続いてますが、そうはいっても夏のシーズンはどこでもポタジェ(菜園の)最盛期です!
先日機会があって訪れた、英国風の広い庭園に囲まれたとある城館。現在はGîte(ジート)と呼ばれる、フランスの田舎の民宿になっています。ジートは家庭的なもてなしが魅力で、民宿と言っても、古い農家やお城を改装したりと様々なバリエーションがあり、オーナーのこだわりの素敵なインテリアなどに出会えることも多々あります。
元ジャーナリストのご主人と奥様が運営するこちらのジートは、焼きたてパンや自家製のコンフィチュールなど美味しい朝食を素敵なガラス張りのテラスでいただけます。さらに、予約制で昼食をいただくこともできるそうですが、料理のバリエーションを広げたいということで、庭園内のかつて温室があった場所に、無農薬栽培のポタジェを始めたところだというので、さっそく見せていただきました♫
数ヘクタールはありそうな、英国自然風の庭園には小川が流れ、森に囲まれたのどかな庭の一角、かつては温室があった場所のポタジェは、なんともシックな雰囲気です。
森に囲まれた庭園内には、心地よい水音をたてながら流れる小川もありました。
後ろに見えるのが城館、一段下がった庭園内に、蔦の絡まる温室跡のポタジェがあります。
無農薬栽培のポタジェ
温室跡ポタジェ内には、廃品の木製パレットなどを上手に利用したラザニアのレイズドベッドが設置され、無農薬栽培のパセリなどのハーブ類、フランスの家庭菜園では一番人気の夏野菜、トマトやズッキーニなどがスクスク育っています。
元々温室が設置してあった場所なので南向きで日当たりがよく、栽培には向いた場所。過剰な日差しを避けてムシロの屋根が出来ていましたが、日当たりの良さからか、野菜の育ちも早いそう。
ズッキーニやトマト、スイスチャードなどが、ぐんぐん育つ温室跡ポタジェ内。
屈まず作業ができる高さになるよう、レイズドベッドをパレットで底上げしています。なるほど。
様々な野菜やハーブが混植され、土壌表面は木屑をマルチングにして、水分蒸発を防ぐ工夫がされています。ガーデニングのサスティナブル志向は今や一般化していて、自然の力を利用した循環型の農業パーマカルチャーなどを参考に、コンパニオンプランツやマルチングやコンポスト作りなど、様々な工夫を実践している様子も参考になりますね。
また、実際的な様々な工夫と並行して、なんと言っても、かつての温室跡という場の魅力が、ただならぬポエティックな雰囲気を醸し出しているのが心憎いところです。
都会とはまた違う、魅力的なポタジェがたくさんあるフランスの田舎の庭も、やはり見逃せないのでした。
手前の紫陽花アナベル越しに、城館側から温室跡ポタジェを見下ろす。