秋のポタジェ・デュ・ロワ(王の菜園)から
このところ毎日寒くて、ベルサイユも気温が氷点下の朝が何日もありました。
例年に較べても寒さが厳しいようです。植物にとっては寒い冬も必要ですが、エネルギー燃料不足から来る電力不足で強制停電の可能性も噂されている今年の冬、人間としては、あまり寒くなってはつらい。。。
クリスマス(フランス語ではノエルNoël)前の今時期は冬至に向かってどんどん日も短くなって夜の時間が増え、地面を覆う落葉には霜が降り、大地は眠りに(そして来春の準備に)ついたかのようです。
まだ暖かかった季節が懐かしく、アップしそびれていたポタジェ・デュ・ロワ(王の菜園)の景色をシェアします。たった2ヶ月前ですが、植物がモリモリしていたなぁ。
こちらはハーブコーナー、ドライになったラベンダーやローズマリー。
栽培区画を仕切るコントル・エスパリエ仕立ての果樹にもまだまだ葉っぱが残っていました。
カラフルなカボチャやウリは秋のポタジェのポイントに
ところで、先だってガーデンストーリー会員サロン様向けにポタジェ・デュ・ロワを案内させていただく機会があったのですが、改めて気がついたのが毎年毎年の風景の変化です。壁に囲まれた沈床型のフォーマル・ガーデンという基本的な枠組みは、何世紀も前から変わらないけれども、各栽培区の植栽は季節によって、年によって、どんどん変わっていきます。
ちょっと残念だったのは、かつては地面にころころと様々な色や形で沢山転がっていたのが印象的だったカボチャやウリ類が今年はグッと減ってしまっていたこと。(注:ショップにはある程度陳列してあったので、収穫期が終わってしまっていただけなのかもしれませんが。)
代わりにユーモラスな長ーいウリのパーゴラが出来ていました。見かけが可愛くても必ずしも美味しいとは限らないので要注意(!)の西洋カボチャたちですが、花や野菜が少なくなってくる時期、季節感があってほのぼのとするチャームポイントになります。
長ーいウリと瓢箪が合わさったパーゴラのトンネル。下を通るのもちょっと楽しい。
まだまだ秋の花盛りのガーデンカフェ
また、今年はポタジェでの夏のイベント時に設置されたガーデンカフェがそのまま残されたコーナーがいい感じです。コスモスやアスターの縁取りは素朴ながらも華やかで、気取らないポタジェの一角らしいエフォートレスな雰囲気が心地良い、今年のポタジェの一番のお気に入りの場所でした。
10月のこの時期も、紅葉した蔦の葉や、まだ沢山咲いていた秋の花々で冬眠前の最後の華やぎが感じられます。
秋バラも何種類か、まだ頑張って咲いていました。
季節が移り変わっていく様子が愛おしい秋のポタジェ。今は寒さが本格化して、残っていた紅葉・黄葉は落ち切って、本格的な冬景色になっていることでしょう。
その間にも、地中で、見えない場所で、自然の営みは続き、次の春が訪れる。
春を待たずとも、今年は厳冬の予感なので雪が積もったらまた来てみようかな。