フランスのパック(復活祭)は春の訪れ
フランス語のパック(Pâques)とは復活祭のこと。英語のイースターと言った方が多少聞き覚えがある感じかもしれません。この週末は月曜日までの三連休となり、家族の集いの機会になったり、小旅行に出かけたりと、気もそぞろになってくる、フランスでは、まさに本格的に春が来たのを実感できる、季節の節目を感じさせるタイミングです。
今年の復活祭は、南仏プロヴァンスの小さな村ボニューにて。元々はカトリック教徒の村だったところで、小さな村なのに教会が二つもあります。村の頂上から周囲の平野を見晴らす場所にある上の教会(または古い教会)は、12〜13世紀に建てられた非常に古い、素敵な教会。この教会はまた、季節ごとの行事の際のデコレーションが素晴らしく、訪れる機会があるたびに感動しています。
生命の象徴でもあるオリーブの枝葉は、プロヴァンスの定番の緑。終わりかけの桜の花や、咲き始めのモッコウバラ、蔦の緑のツルなど、教会の周りの野草ばかりでこのような素敵なデコレーションが構成されているのがまた素敵です。
デコレーションは、実はキリストの物語の象徴で構成されていて、中央の冠はキリストの荊の冠を象徴するものに、フジの花が添えられています。キリストの流した血を象徴するのでしょうか。聖母マリアの涙なのかもしれません。いずれにしても息を呑むような美しい空間でした。
片隅にジャンヌダルク像を発見。教会中、全部本物の蝋燭が灯されているのもなんだか感動してしまいます。
後ろ姿ですが、古い教会の建物の外観。大きなレバノン杉の枝間から、正面のラコスト村がよく見えます。
リラの花、フジの花咲く頃
天気が良ければ、本格的に暖かくなってきた日差しの下、ようやく戸外(庭)でのアペリティフや昼食が快適になってくるのも嬉しいところです。
プラタナスやライムツリーの若葉のフレッシュなグリーンが日に日に増えてくるとともに、花木ではサクラ、大地ではスプリング・エフェメラルの季節が終わり、教会の装花にも早速フジの花が這わせてありましたが、頭の上ではリラやフジの花が、足元ではアイリスが咲き始めるタイミングでもあります。
次回は続いて、この時期のボニュー村の様子をお伝えしたいと思います。ではまた!
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◉こちらはボニュー村のマルシェ(朝市)の様子↓
お時間ありましたらどうぞご覧くださいませ。