パリ植物園の朝
パリ植物園のジャルダン・アルパン(jardin alpin)は、高山植物園という名がついていますが、高山植物に限らず、世界の異なる気候地域からの植物を集め、ミクロな自然風景で19世紀に作られた庭です。世界の山野草園、といってもいいかもしれません。
冬の間はメンテナンスと植物保護のため閉園中で、来週3月1日から再オープンです。
そんなタイミングで早朝の静かな風景に出会えるのは、まさにガーデナー特権です。
園路を歩いていると、パリ市内にいることを完全に忘れてしまいます。
朝の光が本当に美しい。
庭の奥には小さな滝と流れもあります。クリスマスローズやシダが彩るフレッシュな水辺の風景。
歴史ある庭だけに古木も多く、見どころがたくさん。
それぞれの植物が合わさって現れる風景が美しい。
クマニンニクの若芽を発見
そして足元にはこんな葉っぱも。
スズランなどに似ているような気もするけどもっと柔らかで幅広。ちょっと触るとニンニクの香りがする林床の植物、クマニンニク(Ail des ours/Allium ursinum)、またはラムソン、ワイルドガーリックです。名前の由来は、クマが冬眠から目覚めて最初に食べる植物だから、と聞いたことがありますが、もちろん、人間も食用できます。野生のチャイブやネギの仲間で、美味しく食べられて、ニンニクやネギなどと同様の健康に良い効果もたくさんある有用植物です。
しかも、あと1ヶ月くらい経つと、白い可愛らしい花をつけます。森でクマニンニクの白い花が咲く様子はとても可愛らしく、また林床の植物なので日陰にも強く、いつか自分の庭に欲しいなとずっと狙っている植物の一つ(笑)。
ちなみに野生のものを採取する機会があるときには、似たような葉っぱの有毒の植物も結構あるので(例:スズランは有毒)注意が必要です。
ジャルダン・アルパンの外にも出てみると、やはり園内のそこかしこで少しづつ花木の花が咲き始め、小鳥たちの鳴き声も盛んになってきています。もうすぐ春。