早春の庭の至福
パリ植物園でのガーデニング修行は続きます。
私が働くジャルダン・アルパン(訳すると高山植物園とかロックガーデンになりますが、この庭の実際の構成とはちょっと異なるので、それはまた別の機会に。)は冬の間は冬囲いが必要な植物も多く、植物保護のため閉園になります。冬の間は普段できない園路整備などの作業を行いつつ、春の開園に備えます。
ということで、今日の私のミッションも、来園者の歩行により崩れかけの石組の間に土を詰め込んで固め直す作業です。かなり地味ですが、簡単に見える反面、土を突き固めるのは案外時間がかかって、土を詰め込んでも、詰め込んでも進まない、終わらない〜。折角なので、この土に触れ合う時間自体を楽しむことにして、黙々と続けていると、そのうちにそれでも少しは進んでいるという感じでした。
雨や歩行者の重みで崩れた岩石の合間の土を再び盛り込む。
作業道具には、木の枝とかいろんなものが使えます。
植栽の下部に注目、園内には自然石の石積みがたくさん使われています。
そして、その上には満開になったスノードロップたち。
植物園なので、大きいのも小さいのも様々あります。
ところで、何よりも、今日は庭の変容の具合に大感激の一日でした。というのも、まだ日の出が遅いので、朝作業を始める頃にようやく明るくなってきます。朝の光を受けた庭の姿は神々しいほど。普段訪れるだけだと絶対に見れない風景です。
作業初めの頃。ようやく明るくなりかけたところ。
朝の光を浴びた老木は一際かっこいい。
スプリング・エフェメラルの風景
日の出の後も早朝は寒い。しかし、地面のレベルを下げて石壁で囲われたサンクン・ガーデンになっているので、風当たりからは守られているせいか、日向は真冬とは思われないほど暖かくなります。朝はしっかりと閉じている球根の花々が気温があがってくるとともにフワッと花開く様子には、すっかりテンションが上がってしまいます。
スノードロップだけでなく、クロッカスも花盛り。朝はこのようにしっかり閉じています。
昼近くには一斉にぱあっと花開き、ハチもぶんぶん跳び回り始めていました。
ハチも仕事始めかな、そろそろ春が近いサインが庭の彼方此方に溢れています。
作業をしつつも、庭のそこかしこが気になって仕方がない晴天の一日でした。
庭の中の季節による変化も、一日の時間によっての変化も、
全部肌で感じることができるのは、ガーデナーの至福です。
仕事帰りには、パリ植物園の人気者ミモザの大木にご挨拶。
蕾が膨らみ花も咲き始めたイエローのふわふわな姿は、太陽の光をそのまま留めているようです。
ではではまた!