良いガーデンデザインとは?

良いデザインとは?

いきなり良いデザインとは?と始めると、少し大げさな感じもあるのですが、ふと思いついたものでやはり書いてみます。
先日も建築家の友人と、庭でも建築でも、生活の空間を作るものは特に、そのデザインの良し悪しはクオリティオブライフに直接影響する重要なことだよね、というよもやま話をしていました。美しいということと機能性が両立していることは、実際に生きられる空間には特に大切です。じゃあ、良いデザインってなんだろう?という時には、もちろん個人の嗜好もあるし、一概には言えない部分もあります。そうは言っても一つ意気投合した要素があり、それは

やり過ぎないデザイン

なんだかんだ言っても、シンプルなのが一番というのは割とあらゆることに通じると思いますが、デザインもしかり。建築でも庭園でも、実際に個人が発注するとなると、予算のことも視野に入ってきます。そうした場合にも、素材をシンプルに生かす努力が削ぎ落とされたデザインを生んだり、またその後の手入れの負担が軽くなることも多かったりします。特に植栽などは、空間があればあるだけ埋めてしまいたくなる衝動に駆られますが、また希少な植物にも目移りしてしまいますが、と余白をいかに生むか、丈夫な気候に合った植物にいかに活躍してもらうかが、すっきりしたオシャレさのポイントになったりもします。機能性とシンプリシティを両立したデザインは、飽きのこない、様々な変化を受け入れる懐のある、しっかりしたベースとなる空間の背骨として必須です。

ただシンプルだけだと味気無いということも出てきそうです。もちろんファンタジーも必要です。思いっきりお気に入りの花に囲まれるというのも、素敵なことだと思います。そうしたことも頭の片隅に置きつつ、たくさんの庭を見てきて、設計もしてみて、やはり考え抜かれたシンプルさはエレガンスにつながる、良いデザインへの鍵であろうと思うのです。

表紙の写真は元エルメスのデザイナーで、70歳を過ぎて庭づくりを始め、幾つもの珠玉の庭園をつくったニコル・ド・ヴェジアン(1919-1999)がデザインした南仏プロヴァンスのとある個人宅ガーデンの一部です。このテラスガーデン、元々あった大木や背景の眺望が素晴らしい雰囲気のポイントではありますが、小砂利を敷き詰め、キョウチクトウやツゲなどのその土地のベーシックな植物でテラスを囲むシンプルなデザインが実にエレガントな心地の良い空間を作り上げています。やり過ぎないデザインはいいなあと思います。

ド・ヴェジアンを有名にした南仏プロヴァンスのラ・ルーヴ庭園については、ぜひこちらをご覧ください♪
▶︎ガーデンストーリー|珠玉のプロヴァンススタイル・ガーデン「ラ・ルーヴ庭園」

最後までお読みいただきありがとうございます。
末筆となりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年もまた、フランスをはじめとした美しい庭園の数々、庭づくり、花と緑が私たちに分けてくれる暮らしの豊かさをお伝えしていきたいです。

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