パリ、マレ地区の秘密のバラの庭
パリの街中は、
オスマン建築がかっこいいのですが
やはり緑は少なくなりがちです。
人間の生活に緑は必要、
ということで、
街角のそこかしこに
スクワール(英語だったらスクエア)と呼ばれる
小さな公園があります。
一部の地域を除いて、
ほとんどの住民がアパルトマン暮らしなので
この小さな緑のスペースは大変貴重で、
天気が良い時期には、
朝から晩まで、スポーツをする人、
子どもを遊ばせる人、ランチをとる人、
読書をする人、デートする若者など
様々な利用者で賑わっています。
そんなスクワールのなかのひとつ
マレ地区にあるサン=ジル・グラン=ヴヌールは、
プライベートの建物に囲まれた庭が公園になっていて、
通りのぐっと奥に入らないと入口が見えない、
ちょっと秘密の庭のようなロケーションです。
この季節は(訪れたのは6月初め)狭い通路を通り抜けて、
白バラのみでまとめられた外周の植栽を越えて庭に近づくと、
急に色とりどりのバラに迎えられ、
おお!と嬉しい驚きが待っています。
つるバラがいきるシンプルなフォーマルガーデン
広くはない敷地に対称に作られた
ふたつの長方形の芝生面を
パーゴラが囲むシンプルな構成の
フォーマルガーデンです。
そのパーゴラに色も形も様々のつるバラが
我先にと枝を伸ばして咲いている姿が
なんともすごい感じで圧倒されます。
もともとここは、
17世紀には王室に仕える国王狩猟官の邸宅が建てられていた場所で、
邸宅の庭があった場所が、
現在はパリ市が管理する公園になっているそうです。
現在の庭が作られたのは1988年だそうですが、
シンプルなフォーマル・ガーデンの構造と、
背景の建築物と、
自由に空間をどんどん埋めていくバラの
ゴージャスだけどナチュラルな感じのバランスが良い感じ。
もちろん低木類やバラの下草たちも
空間構成に一役買っています。
四季を通じて様々な花の開花を楽しめることは大切だけれも、
潔く、バラの季節を絶頂にする一点豪華主義、
というのもありなのかなとも思ったり。
つるバラに囲まれた芝生でひとやすみ
バラに囲まれた芝生は、
プライベート感がしっかり確保されているので、
ランチがてらお昼寝やら、勉強やら
公共の場というよりは
自宅のテラスかというくらいのくつろぎ感が漂います。
早く来ないといい場所はすぐ取られてしまいそうだけれど、
小さな公園で、
色とりどりのバラの花と香りに囲まれて
のんびりできるなんて、なんだか嬉しい。
こんなスモールガーデンが街角に点々とあったらいいなあ。
バラの季節以外は
このゴージャス感はなくなると思いますが、
それでも、車が側を通らないのも良い、
落ち着きのある小公園です。
マレ地区散策の際には、
ひとやすみに寄ってみても良さそうですよ。
◾️所在地
スクエア・サン=ジル・グラン=ヴヌール|ポーリーヌ=ロラン
Square Saint-Gilles Grand-Veneur Pauline-Roland
9 rue du Grand-Veneur 75003 Paris
最寄りメトロ駅:Saint-Sébastien-Froissart
こちらのフロリバンダのつるバラはまだまだ蕾がいっぱいです。