かつて画家ゴッホは画題に
南仏の光を求めてプロヴァンスに来たというが、
今もこの土地の太陽の光は特別に感じられる。
森に自生するツゲやセイヨウウバメガシなどの常緑樹は、
日差しが強く乾燥した気候に適応した
小さな照り葉を持つものが多い。
強い光を反射してまるで宝石のように輝く。
または、オークやカエデ類の新緑を透過した
柔らかな緑の光線が林床に降り注ぐ。
お互いに寄り添って
また強い風を受けて
姿を変えながら成長した木々のつくる風景は
ごく自然に庭のような、庭以上の調和を見せている。
日の出から日没まで
その風景を照らす光が、
刻々と色合いを変えて、
角度を変えて、
強度を変えて、
彼らの姿を
神々しいほどに美しく見せる。
良い庭には、
植物が成長するための
日当たりということだけでなく、
光の当たり方、例えば
光が当たった時の葉っぱの効果の美しさまで、
光の下での調和と変化が、
自然に取り込まれているようだ。
めずらしく雨が降った後の朝。
庭の一角で朝の光を浴びて、
もりもり成長してきた野草たちが一段とフレッシュに見える。