マルティニーク、アビタシオン(プランテーション)の庭
かつてコロンブスが
世界で最も美しい場所と絶賛した
花の島マルティニーク。
フランス本土から来てみると
わざわざ庭園見学に行くまでもなく、
島全体が亜熱帯植物園のよう。
ここには、
そんな土地柄だからこその、
ゴージャスな庭があります。
青空の下、
のびのびと茂る様々なヤシ類がゴージャスな
アビタシオン・クレマンの庭。
マルティニークでアビタシオン
(通常のフランス語では住居の意)
と呼ばれるのはサトウキビなどの
プランテーション(大規模農園)です。
かつては奴隷制度の元に経営され、
サトウキビやコーヒー、カカオなど
輸出向けの熱帯の農作物を生産した農園で、
広大な耕作地に加え、
例えばサトウキビであれば
砂糖やラム酒などの生産に必要な各施設、
地主の住む屋敷や
奴隷たちの住居などを含む
複合的な農園だったもので、
現在ではラム酒蔵元やアートセンターなど
様々な形で公開されているところが多数あります。
サトウキビ畑を背景に、
現代アート作品が設置された
スマートな構成。
カラフルなガラスのオブジェ作品の
池のしつらいも可愛い。
大きな樹木の木陰に守られた
地主家族が住んだ母屋。
素朴なコロニアル感が素敵な
クレオールの屋敷。
決して広くなはいけれど、
風通しなどに工夫があり、
冷房がなくても快適そうです。
子こちらは旧ラム酒製造所の建物の中から。
(現在は最新型の酒造所が稼働していてます。)
インダストリアルな雰囲気がなんとも素敵。
敷地の中には、
南国気分を盛り上げる
バナナ畑もどさっと。
島の南の方を車で走ると
延々と丘陵を覆うのは、
バナナ畑とサトウキビ畑の
モノカルチャーな風景。
人々が作って来た風景。
それはしかしまた、
植民地時代の構造を
そのまま引き継いだ生産の構造を
垣間見ているようでもあり、
のどかな風景ながらも、
何か心に引っかかりが残る所もあります。
光も緑も文句なく素晴らしいのだけれど。