ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌの生まれ故郷
カリブ海に浮かぶマルティニーク島は
ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌの生まれ故郷で、
パリ郊外マルメゾンの城館と庭園に暮らした彼女は
その遠い故郷を懐かしんでいたという。
ジョゼフーヌを惹きつけてやまなかった
彼女の故郷の風景はどんなだったのだろうかと、
ずっと気になっていました。
マルティニーク島にある生家は
没落貴族だったのだそうですが
200haの敷地には200人の奴隷を抱え、
フランス輸出向けのサトウキビ栽培、
砂糖やコーヒーの生産などが
行われていたそうです。
生家の砂糖工場などは廃墟になっているものの、
現在はミュージアムになって公開されている様子だったので、
マルチニーク島に来たからには、
ぜひジョゼフーヌの育った場所にも行かねば!
と、鼻息を荒くしていたのですが、、、
残念ながら閉まっていました。
外側から、ハウス&ガーデンを覗き見る。
ミュージアムになって、
かなり整備されているはずなので、
果たしてどの程度当時の面影が
残っているのかはわかりませんが。
タビビトノキ
こちらは砂糖工場跡と思われる廃墟の入口。
エキゾチック感満載の
手間にある大きな扇のようなヤシっぽい木は、
タビビトノキ(学名 Ravenala madagascariensisRavenala madagascariensisRavenala madagascariensis)。
葉柄に水を貯めるので、
旅人の飲用水の供給源になったからと聞き、
なるほどと思いましたが、
確かな定説ではないようです。
マダガスカル原産だそうですが、
このタビビトノキも島の至る所で見かけました。
もっとも、ユニークなフォルムなので、
見つけやすいということもあるかもしれません。
ミュージアムのある場所から
少し奥に進んでいくと
かなりアップダウンのある地形で、
緑がワサワサとしている様子に、
なぜか鎌倉の山手の住宅地を思い出しました。
ジョゼフーヌの植物コレクション
当然ながら
イル=ド=フランスの気候風土とは
まったく異なる環境で、
緑の勢いがぜんぜん違います。
ジョゼフーヌのなかには、
ずっとずっと、
マルティニークの緑の原風景が生きていたのだろうな。
温室に集めた亜熱帯植物も、彼女にとっては
珍しさというよりも、
故郷の温かな湿った風の懐かさしさを
運ぶものが多かったのではないでしょうか。