オータムカラーの王の菜園(ポタジェ・デュ・ロワ)
先日のガーデンウォークの午後の部は、
やはりヴェルサイユ宮殿と庭園と一体であるものの、
普段はなかなか訪れることがない
王の菜園(ポタジェ・デュ・ロワ)へ。
名前の通り、
王様のための食卓のための野菜や果物を生産する菜園でした。
17世紀、ルイ14世のために作られた当時の姿を濃厚に残す、
フランス整形式庭園スタイルの菜園(ポタジェ)です。
ところで表紙の写真の手前のきみどりのホワホワは
なんだと思いますか?
知る人ぞ知るですが、これはアスパラガスの葉っぱなんです。
近くで見ると実もついていて、すごくかわいい。
アスパラガスは多年草で、
春になると出てくる芽の部分をいただきます。
最初の収穫までは少し待たないとならないのですが、
その後は毎年出てくるし、
葉っぱもオーナメンタルとしてもなかなか優秀です。
よく見ると赤い実が付いているのですが、
雌株と雄株があって、
実がつくのは雌株だけだそう。
収穫量が多いのは雄株だそうですが、
植え付ける苗の段階では判別できないのだとか。
こちらもポタジェの一角、
壁に囲まれた9ヘクタールの敷地内には
それぞれに雰囲気の違う区画があります。
この時期花は少ないですが、
深紅の蔦が色を添えていたりと、
随所でオータムカラーが楽しめます。
今日の見所はここ!と思わず叫んでしまった、
壁際のボーダー植栽の様子。
この風景も今の季節ならでは。
こちらの一角にぎっしり植わっている木は....?
少々見えにくいかもしれませんが、
大きな葉の裏にはイチジクがたくさんなっています。
ルイ14世の大好物、イチジクの栽培
イチジクはルイ14世の大好物の一つで、
ポタジェに今も残るマンサール建築の建物の一翼は
フィギュリ(Figuerie, Figueフィグはフランス語でイチジク)
と呼ばれているのですが、
遠い昔にはイチジク栽培のための場所だったのが由来です。
まだガラスの温室がなかった当時、
冬には鉢植えのイチジクを建物内に移動させて寒さから守り、
6月にはイチジクが収穫できるようにするなど、
当時最先端の栽培技術を用いて、
王様の食卓のための贅を尽くした促成栽培が行われていたのです。
季節毎に違う表情が発見できるポタジェ・デュ・ロワ、
秋の顔を少しだけシェアさせていただきました。
また訪れるのが楽しみです。
ちなみにポタジェには2匹の猫ちゃんが住んでいます。
運が良ければ彼らにも会えますよ〜。
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