古代ローマの森、南仏プロヴァンス

古代ローマ時代の南仏プロヴァンス地方は、
多くのローマ人の植民地が作られていた場所で、
ポン=デュ=ガール(古代ローマの水道橋)や
オランジュの円形劇場などの遺跡がたくさんあります。

ということは知っていたのですが、
近所の森のなかで
よく見かける石垣や、
いい具合に崩れて苔むした石積みは
一体どうしてそこにあるのだろうと
日々疑問に思いつつ散策していたところ、
今日その疑問が解決!
 

これは古代ローマ時代のオッピドゥム(Oppidum)の
名残だったのでした。
オッピドゥムとは、古代のケルト人たちが
丘の上などの自然地形を生かして築いた防衛用の囲い地、
ヨーロッパ各地に作った城塞都市から始まりますが
その用途は様々になっていきます。

近所の森のこの石積みの
はっきりとした由来はわかりませんが、
途中を古代ローマ街道が通っていたり、
何千年も前から
人とともにある森であることは確かなようです。
魔法の空間のような不思議感も
そうした時間の集積が感じさせるものなのかもしれません。

 
森のなかには、白っぽい色合いで木々を覆う
地衣類(liken)が目立ちます。
地衣類は厳しい気象条件でも生きられるけれども
空気のきれいなところでないと
生育できないのだそうです。


花咲くように地衣類に覆われた樹木。


尾根に出ると遠くまで見晴らしがきく、
雄大に広がる空間に出会います。
 
こちらには
日当たりが好きそうな、
セージのような植物が群生。
 
石灰岩の崖の上にも
逞しく根を張って成長する木々。
一番上には、やはり日差しが好きなマツ類が並んでいる様子...

途中からはほとんどケモノ道をたどりつつ、
悠久の時間を感じる森の散策、至福のひとときです。

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