ロンドンの風景式庭園、チィズウィック・ハウス&ガーデンズ

ようやく試験やら提出物やらが一段落したら
もう6月も後半。
今年もウキウキワクワク予定していた
チェルシー・フラワーショウ見学を
直前になって涙のキャンセル。
だって色々終わらなかった(涙)。
リベンジでちょっとだけロンドンと近辺の庭めぐりです。

まず今回訪れたのは、しばらく前から気になっていた
チィズウィック・ハウス&ガーデンズ(Chiswick House & Gardens)
ロンドン市内にあり、公共交通機関で容易にアクセル出来る立地です。
そしてその歴史的価値は重要で、
イギリス風景式庭園の父、ウィリアム・ケント設計の
初期の英国風景式庭園の作例なのです。

敷地面積は26ヘクタールほどで、広くはありますが
方々の広大な敷地に広がる風景式庭園に比べたら
相対的にはおそらくさほど広くもないのかもしれません。


アプローチの一角はライムツリーの古木の並木道。
緑の光線が美しい。

どの木もひこばえがスカートみたいに残されていて
不思議な形に整っています。
芝の部分は刈り込んだ芝も地面にそのまま残されて干し草状態になっており
ふむふむ、ローメンテナンスな手法なのだな、と納得。

イギリスでは17世紀の終わりに名誉革命により
議会政治が始まり、支配階級層に変動が起こります。
新しい時代には新しい美学が必要、
そうした社会の要請に応えて生まれたのが風景式庭園。
そのとき彼らが求めた自然美とは、
それまでにグランド・ツアーでイタリアを旅した
イギリス貴族階級たちを魅了した地中海風景や古代建築を描いた
クロード・ロランやニコラ・プッサンの理想主義的な風景。
つまり「絵画的(ピクチャレスク)」な、とことん作り込まれた自然の風景です。


川沿いの散歩道から対岸を眺める。
あたかも自然の田園風景の中にいるような庭園。

当時はどんな手入れがなされていたのか気になりますが、
21世紀の今、時代はローメンテナンス。
手間の柵と小川の間は完全にワイルドな状態になっていて
それがかえってより自然な感じ?を醸し出しています。


対岸のチィズウィック・ハウス、内部は美術館になっている、
新古典様式の建物です。

対岸ではカモに餌をやっている男の子やら
走り回る子どもたち、犬たち、
人は小さくなってしまってほとんど見えなくなってしまってますが、
家族連れのピクニック風景が目立ちます。
端正な自然の田園風景を背景に、
ファミリーフレンドリー、ドッグフレンドリーな
オープン・スペースなのでした。

ちなみに右上の方の鳥のシルエットのような物体は飛行機です。
ロンドンは空港が市内に近いので
理想の自然風景の上をジェット機が行き来しています。


小川を挟んで両岸をつなぐ石橋もスタイリッシュ。


森の中に分け入っていく。。。

ワイルドネスがそこかしこにありながら
庭園は森と小川、広い芝生のオープン・スペース、
ウォールド・キッチンガーデンやイタリア式庭園など様々な要素で
整然とした構成されていて、要所要所には
オベリクスやポーチなどのアイストップがあってビスタが通っています。
それぞれのコーナーをつなぐ並木や散歩道も変化に富んでいるがまたいいところです。

森の中もメインの通りは
足元はツゲの刈込みで整えられたライムツリーの並木。
木漏れ日がタペストリーのような模様を作る。
エントランスの並木とはまた違った雰囲気。
[次回に続きます]

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