ランドスケープとアーカイヴの関係について
こんにちは!
昨日、一昨日は
国立古文書館とポタジェ・デュ・ロワで行われた
ランドスケープとアーカイヴについての
連続講演会に参加しました。
ポタジェはすっかり秋の様相です。
フランスでは
建築にくらべ、ガーデンやランドスケープに関しては
資料のアーカイヴ化が極端に遅れています。
庭園というもの自体が生きいていて、
常に変化していく性質であるということや、
建築物とは異なり
関連文書の保管が法律で義務付けられていないということなど
様々な理由があります。
しかし、
一度散逸した資料を再構築することは
ほぼ不可能であり、
年数を経て、変化したガーデンやランドスケープ空間から
そのまま計画時の意図や制作のプロセスを読み取ることは
非常に難しいことでもあります。
とくに現在の流れを作ってきた世代の造園家たちが高齢となり
世代交代の時期にさしかかっているいま、
彼らの作り上げてきた遺産を正しく継承し、
次の時代の豊かさへ繋げていくという視点からも
資料のアーカイヴ化への取り組みは欠かせません。
こうした事情はおそらく日本にも通づるものかと思います。
ヨーロッパの各国でも同様で、
フランスのみならず、お隣のベルギー、イギリス、イタリアでの
様々な興味深い取り組みの事例の発表がありました。
ロンドンのガーデン・ミュージアム、イギリスのアーカイヴの例
以前にご紹介したことのある、
庭に関する世界で初めてのミュージアム、
ロンドンのガーデン・ミュージアム。→● Click!
[関連記事]世界初のガーデン・ミューアムの庭→●Click!
大好きな場所の一つなのですが
こちらの代表者からの発表もありました。
驚いたのは、100%独立したアソシエーションによる運営で
政府の補助金などは受け取っておらず、
宝くじその他の寄付金やカフェや入場料収入などで運営がなされているということです。
さすが庭園の国、イギリス。
ロンドンのガーデン・ミュージアムでは
イギリスの名だたる造園家たちのアーカイヴや造園に関する資料を保存展示し
一般に開放された資料室も完備、
教育普及のイベントを開催するなどの活動を行なっています。
私にとっても、以前にこのミュージアムで
スチュアート=スミスやラッセル・ペイジの展覧会を見たことは、
ガーデンやランドスケープの世界に向かうことになったきっかけの一つでもありました。
つい最近、改修工事が終了して再オープンしたところで、
新しい庭の植栽デザインはダン・ピアソン、とやっぱりゴージャス。
庭に面したカフェスペースは広く新しくなって、
スペースレンタルもしているので、
ガーデン・ミュージアムでのウェディングも可能なのだそう♡
ミュージアムを独立採算で運営するのは
非常に難しいと考えられていますが、事実、
相当に潤沢な基金や寄付金があってこそ可能な事業です。
ガーデン・ミュージアムのような例を
社会的状況の異なる日本で作ることは相当難しいのでしょうか。
造園や園芸の昔からの豊かな伝統のある日本でも、
ガーデンやランドスケープに関する希少な資料がきちんとアーカイヴ化され、
また必要な人々に役立てることができるような、
訪れる人々が、ワクワクする、夢のようなガーデンの世界を感じられる、
新たな発見し、学ぶ場所を作ることができたら、
本当に素晴らしいと思うのです。
アーカイヴの話からどんどん旅をして
蠍座の新月のアイディア、
ちょっと覚え書きでした(^_−)−☆
お読みいただきありがとうございます!
それではまた☆