サン・ジャン・ド・ボールギャールの庭園の花咲くポタジェ
ガーデニングフェアの会場である
サン・ジャン・ド・ボールギャールの庭園は、
花と野菜を取り混ぜた植栽の
ポタジェ(キッチンガーデン)でも知られています。
伝統的な、壁に囲まれた空間の中、
中心に池(噴水)があり、
その周りを細かく四角く区切ったスペースが
囲むような形で構成されています。
中に入ってしまうと
なかなか全体を俯瞰するのが難しいのですが....。
ポタジェ内の各区画はボーダーの植栽で区切られており、
真ん中の池はこんな感じ。
ガーデニングフェアの週末だったので
ポタジェでランチのピクニックをしている人も多くいました。
デコラディブな生垣装飾の間で
休憩中の人々。
なんだか微笑ましい。
ゆったり空気が流れています。
ボーダーの一角のダリアと、
アーティチョークみたいな葉っぱは、
ちょっと名前を忘れてしまったのですが、
野菜の一種で、食べられます。
いわゆる畑、というのではない
城館の庭園の中のポタジェ(菜園)で、
野菜やハーブや花、果樹などを取り混ぜて栽培するのは
フランスの貴族階級の習慣でもありました。
食卓にのぼる野菜やハーブの生産、
花は切り花として屋敷を飾るのに使われる
生活に有用な植物で構成される庭空間が
ポタジェだったのです。
特に果樹からの収穫は、
ジャムなどに加工して保存食となるばかりでなく、
領地の収入源としての役割も担っていました。
ドイツやイギリスでは、菜園と果樹園が
きっちり分かれた扱いになっていることも
多かった様子なので、
こうした果樹、野菜、花を取り混ぜた
歴史的なポタジェのスタイルには、
フランスの生活と庭のかかわりが
特徴的に反映されていると言えるでしょう。
歴史的なポタジェの話はまた別の機会に
ゆっくり書いてみたいと思います。
それではまた!