なんだか本のタイトルみたいな見出しですが、
これはちょっと変わった学校の授業で
ヴェルサイユの庭園を訪れた際のキーワードでした。
庭園という迷宮|ヴェルサイユ庭園の見学授業
まずは屋根のある場所に集合し、
真っ黒の布で目隠し、数人ずつ手をつなぎます。
見学の間は話さない、が唯一のゲームのルール。
目隠しすると、本当に何も見えない。
この状態でヴェルサイユの庭園内を見学するという体験でした。
どうして目隠し?
ガーデンやランドスケープでは(おそらく他の場面でも)、
実は、視覚が最優先されています。
でもガーデンは5感すべてで味わうもの。
それを体感するための目隠し見学(見えないけど)ということです。
{↑この辺から始まりました]
最初はそれこそルール違反で
ワーワーと、大騒ぎしながら、
次第に静かになって、
宮殿の横の刺繍花壇を抜けて
手すり沿いにオランジュリーに降りて、
あとは芝生の上を歩いたり、刈り込みにぶつかったり、
どこをどう移動したのかまったくわかりませんが(笑)、
なんとかどこかへたどり着いた。
どこをどう進んでいるのかまったくわからない
→まさに迷宮の中を歩いていくみたいですね。
庭園には昔から迷路(ラビリンス、メイズ)が作られていますが、
庭園そのものに迷宮のような意味合いを読み取ることもできます。
この辺はいつか時間がある時にまた書ければと思います。
真っ暗ななかだと
敷石や芝生や土といった足元の感覚、
靴底を通してでも、目が見えている時と比べると
数段敏感になっているのがわかります。
土の匂い、水の匂い、葉の匂いを感じ、
鳥の鳴き声だけでなく、遠くの車や射撃の音など
普段なら聞こえて来ないような音もキャッチし、
いつも使えるはずの感覚が意外と使われていなかったことに愕然としながらも
とりあえずどこかについたようで少しホッとします。
さあ、目を開けていいよ。
目を開けるともっとびっくり。
雨の日だったにもかかわらず、
目の前には、
なんという光の明るさ、色彩の輝き、
モノクロからカラーへと別世界へ飛び込んだような
鮮明な世界が広がっていました。
そこはヴェルサイユ庭園内に沢山あるボスケ(木立)の一つ、
「舞踏の間」の中でした。(表紙の写真はその一部です)
「ロカイユのボスケ」とも呼ばれるこちらは
映画「ヴェルサイユの宮廷庭師」の舞台となった場所でもあります。
◉関連記事:ヴェルサイユの宮廷庭師 ←Click!
普段は公開されていないので、雨模様ではありますが、
反対側はこんな感じです。
この後もほぼ土砂降りのなか、
目隠し見学は続き、後半はほとんど苦行のようでしたが
とても興味深い体験でした!
ひとりでやると流石に危険ですが、
例えばお気に入りのガーデンのなかで、
少しのあいだ完全に目を閉じて過ごし、
それから目を開いてみるというだけでも
普段と少し違う感覚を発見できるかと思います。
完全に何も見えないというのがポイントです。
春のそよ風の気持ちの良い日にぜひお試しあれ。
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