グランド・モスケ・ド・パリの庭で南を感じてみる
久しぶりにパリのガーデン散策に行きましょう。
世界の大都市に共通する点ではありますが、
多様な異文化が交じり合うメルティング・ポット的なところは、
パリの魅力のひとつといえましょう。
パリには
アフリカ、特にモロッコやチュニジアからのイスラム教徒の移民も多いので、
イスラム教寺院=モスケ(英語だとモスク)もあります。
パリの中心地区にあるグランド・モスケ・ド・パリには、
カフェやレストランも併設されており
お祈りをするイスラム教徒ばかりでなく、
地元の人や観光客も多く訪れる観光名所になっています。
そして、モスケには、小さいながらも美しい
ペルシャ式(イスラム式)のガーデンがあります!
古代ペルシャはヨーロツパ庭園文化の源泉でもあり、
最古の庭園の記録は紀元前4000年にも遡ります。
極寒極暑の不毛の地の庭園は、楽園を再現するかのように、
宮廷に付随する中庭形式のオアシスのように作られました。
イスラム教徒によるペルシャ征服を経て、
ペルシャ式の庭園哲学にムーア人様式が合わさって、
スペイン、グラナダのアルハンブラ宮殿やヘネラリフェ離宮の庭園に代表される
スペイン式庭園の様式が出来上がっていきます。
端正なシンメトリーの構成は、
整形式庭園と呼ばれるヨーロッパの庭園様式の基本的な要素です。
モスケのガーデンも、
建物の壁に囲まれた中庭(コートヤード)にあり、
左右対称の整形式の構成になっています。
イスラム教では聖なるものの具象的な表現が禁じられているので
寺院の装飾はすべてタイルや木彫の
幾何学的なアラベスクの文様で埋め尽くされています。
ペルシャ式庭園は、そうした建築物と一体化しつつも、
植物と水の存在で、祈りの場とは異なった
ほっと一息つけるオアシス感があふれた場所になっています。
砂漠に囲まれた地で発展してきたスタイルの庭園なので、
水の存在はとても重要。
かならず噴水や池が主役級で設えられています。
パリのモスケのガーデンも、
中央には噴水の水盤があるほか、四方に水の流れが張り巡らされています。
また、地面を覆うトルコブルーのモザイクが、
全体を眺めたときに、
そのまま水面のようにも見えて、とても美しいのです。
モスケを訪れた日は、あいにくの小雨模様だったのですが、
雨に濡れたトルコブルーのモザイクが、
まさに水面のような効果を発揮していました。
(次回に続きます!)
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