上の写真は庭にあったルイ14世の好物でもあったアスパラガスたち。
繊細な葉っぱがかわいい。
トマトは果実か野菜か?
ベルサイユのポタジェ・デュ・ロワ(王立菜園)のビジットの続きです。
ガーデナーのダヴィッドさんがご案内くださったビジット、
とっても楽しくためになりました。
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わかりやすいポタジェの歴史的経緯の説明などの後、
さっそくの散策が始まります。
様々なトマトやピーマン〜唐辛子の列の前で、
「さて、トマトは果物でしょうか、野菜でしょうか?」
口々に、そう質問されるなら果物ってこと?とか
参加者も色々言い出すので面白い。
さて、その答えは…
どのように実がなるかというメカニズムに基づき、
植物学的に言えば、「果実」ということになります。
しかしそもそも「野菜」という観念が料理の分野から来ているもので、
植物学的には「野菜」というカテゴリーはないのですね。
ほうれん草も植物学的には「葉っぱ」の部分を食べるのだけど、
わたしたちは「野菜」というカテゴリーで認識しています。
じゃあ、「花」の部分を食べる野菜は?
カリフラワーやブロッコリー、
フランスっぽいところで言えばアーティチョークなど。
「根」の部分を食べる野菜は…カブやビーツ、
色々ありますね。
ちなみにルイ13世の頃のフランスでは、
野菜は健康に悪い、とされていたそうです(!)
ちょっとびっくり。
16世紀の大航海時代から、
新大陸からトマトやピーマン、ジャガイモなども
ヨーロッパに導入されているわけですが、
「健康に悪い」ものなので、
ルイ14世の食卓においても、
当時、トマトは食用としてではなく装飾に使われていたそうです。
ジャガイモに至っては豚のエサで、
人間が食べるようになるのはもっと後から。
家庭菜園へのアドバイスとしては、
すでにご存知の方も多いと思いますが、
唐辛子とピーマンを隣り合わせに植えないこと!
受粉で混じりあって、辛〜いピーマンが出来ちゃったりします。
などなど、実際的なアドバイスも交えながら、
食卓の歴史と野菜果物栽培の歴史が交差していて、
面白いエピソードが目白押しで、
ビジットはまだまだ続きますよ。
いつもお読みいただきありがとうございます!