ヴィランドリー城の象徴、野菜のガーデン(ポタジェ)
フランスの庭のなかでも代表格のヴィランドリー城の庭園。
シャルル8世がイタリアから連れてきた
造園家バルチェロ・デ・メリコリカーノに作らせたこの庭の
象徴となっているのが、野菜の庭(ポタジェ)です。
装飾菜園と言われると、なるほどなと思うような、
え、野菜の庭??という感じの
十字架型のシンメトリックな構成。
色彩もあざやかなこの景観、
よくよく見ると、
色とりどりのレタスやブロッコリーやハーブなど
野菜が主役の庭なのです。ちょっとした驚きです。
ところどころにリンゴや洋ナシなどの果樹や
スタンダード仕立てになったバラがアクセントとなって、
クラシカルな雰囲気を醸しだしています。
通常に想像する菜園とは対極的な、野菜による装飾の庭。
地割りはツゲの刈込みで。
野菜だけでなく、控えめですが花も使われています。
ガゼボの一重のつるバラがとってもきれい。
そういえば、16世紀のマニエリスムの画家アルチンボルドは
野菜や果物で肖像画を作りましたが、
こちらの野菜の庭もエスプリが効いています、
遊び心にしてやられた、感じでしょうか。
フランスにルネサンスが導入され定着していくのも
同じマニエリスム期なのですが、
当時野菜や果物で造形するのが流行っていたのかしら
(あ、これは単なる思いつきなので。。。後日考察してみようっと。)
エコ・ジャルダンEcoJardinとは?
近年の全般的な傾向ではありますが、
こちらの庭園でも積極的にエコロジーへの配慮に取り組んでいて、
2008年から殺虫剤や除草剤などの化学薬品の使用をやめ、
害虫対策にはてんとう虫などの益虫を味方につけたりと、
オーガニックな方法を用いて庭園の維持管理を行っています。
フランスの庭には、Jardin remarquable(注目すべき庭園)などの
景観に優れた庭を認証するシステムがあるのですが、
エコロジーに配慮した庭を認定するEcoJardin(エコ・ジャルダン)というのもあって、
ヴィランドリー城の庭園は、歴史的庭園の中では初めて
このEcoJardin認証も受けた庭だそうです。
メインの野菜の庭の横にはハーブガーデンもありました。
様々な異なるテーマのガーデンに点在するトピアリーの形がカワイイです。
そしてハーブガーデンのあるテラスから野菜のガーデンを振り返る。
アーチにもさもさと絡まっているのはブドウです。
野菜のガーデンを囲んで、ちょうどいい日陰の回廊となっていました。
この感じ、好きだなぁ♡
ヴィランドリー城の最寄りの街はトゥール、
ロワール川流域の古城巡りの拠点となる歴史ある街です。
続きに、ちょっとトゥールの街も散歩してみましょう。
それではまた!
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