貧乏な人の庭とお金持ちの庭??
イギリスの旅の続きに戻り、バーンズデール・ガーデンという庭の話です。
イギリスでは、TV番組の中で庭を実際にゼロから作りつつ、庭造りを指南するという大人気のガーデニング番組がありました。
ホントに、地面をならすところから始まって、構造物をしつらえ、植栽をする一連の作業を実際に番組で見て学べます。
趣味の園芸でも、野菜作りや盆栽など、部分的に実地で作り方が解説されます。
こちらは一つの庭全体を作っていくドキュメントなので、庭作りに興味がある人には非常に興味深く、大人気の番組だったそう。
バーンズデール・ガーデンでは、番組のために次々に作られていった37のモデルガーデンがそのまま見られます。
日本の一般の住宅にもすぐ応用出来るくらいの小さな庭が主で、ハーブ・ガーデンとかロック・ガーデン、リンゴのアーチのオーチャードガーデン(果樹の庭)やアーバン・ガーデンなど様々なテーマのお庭があります。
中でも面白かったのが、テーマは同じ「コテージ・ガーデン」なのですが、貧乏な場合の手作り風と、お金持ちなジェントルマンのための庭と、親切にも予算に合わせて2パターンが展開されていました(笑)
ちなみにコテージガーデンとは、イギリスの田舎の農家にあるような、自然な草花の美しさを生かしたガーデンのこと。イングリッシュガーデンのスタイルの一つで、樹木や果木、野菜や草花やハーブが自然な感じで植えられ、ノスタルジックな雰囲気を醸し出す。カントリーガーデンとも言います。
貧乏バーションでは、きれいなブルーグレーにペイントしてあるフォーカル・ポイントのベンチや支柱などもリサイクル木材から全部手作りで…と予算を抑えて手作り感を生かしています。このブルーグレーは、とってもイギリスの庭ちっくなイメージ。しっくりと草花の色合いに調和しつつ、さわやかな明るさ、落ち着きがでる、絶対失敗しない色でおすすめですよ〜。
そしてお金持ちジェントルマンのお庭は...。やはりフォーカル・ポイントには屋根付きベンチを使用します。地面は意匠を凝らしたレンガ敷きになり、全体的に素材が高級になってきますね(笑)
素朴な田舎家の庭的な雰囲気を踏襲しつつも、お金持ちジェントルマンの方は、白いフレームの立派なコンサバトリー(温室)まで設置してあります。
じゃあ、どっちの庭がすてきなのか?
そこが非常に重要な問題です。
面白いのは、貧乏手作りバージョンがお金持ちジェントルマンと比べて、見劣りがするとか、つまらないのかと思えば、全然そんなことはないのです!
かえってブルーの色使いなどは貧乏バージョンの方がカワイイくらいです。もちろんお金持ちジェントルマンの方が、ぐっとシックな感じです。それぞれにいい感じに仕上がっています。
つまり、お庭造りはアイディアと愛情と実行力次第なのです!
その時々の条件と折り合いながら、庭を作る人、庭の持ち主の個性がにじみ出るような空間になっていくのがいいんだと思います。
庭造りは懐広く奥も深い。
ガーデン愛好者のちょっとしたアイディアの宝庫
本を見るより実物を見たほうが、イメージ感をつかみやすい。
バーンズデールの庭は、庭造りにいそしんでいるガーデン愛好者たちがやって来て、アイディアを参考に持ち帰れるとっておきの場所です。
初心者がまずはそのまま作ってみる一番シンプルな庭、というコンセプトのもありました!
気に入った庭があれば、ショップで図面を購入して帰って作ることも可能だそう。
足繁く通って学習したら、プロ顔負けのガーデナーになれそうですよ!
イギリスはガーデン愛好家の層が厚いから、こうした教育的な(?)ガーデンも可能なのでしょう。
それではまた☆