私がこの本に出会ったのは大人になってから。
ルピナスさんのような人生が夢なんです!と語るステキな庭好きの友人から教えてもらって、いまや私もすっかり、ルピナスさんのような人生を送りたいものだ!と心から思っていたりする。
ルピナスさんの本名はアリス。子どもの頃は海のそばの街に住んでいました。おじいさんの工房で、船の舳先の船首頭の彫刻を作ったり、見知らぬ南の国の絵を描いたりしているおじいさんを手伝って過ごしています。おおきくなったら遠くにいって、そしておばあさんになったら海のそばの街に住むわ、(おじいさんみたいに!)というアリスにおじいさんは言います。
「それはけっこうだがね、アリス、もうひとつ、しなくてはならないことがあるぞ」というおじいさん。「なんなの?」ときくアリスに
「世の中をもっとうつくしくするために、なにかしてもらいたいのだよ」
「いいわ」
何をすればいいかわからなかったけれど、アリスはおじいさんと約束し、そしてアリスは…。
目に見えることでも、見えないことでも、世の中をもっとうつくしくするために、なにかすること。そのことに心を寄せることからすでに、きらきらとした光がみちてくるような気がします。
ところで、ルピナスの花ってよく見ると、金魚が連なっているみたいで、うーん、どうなんだろう…と思うところもあったのですが、『ルピナスさん』により、気持ちの上では大幅イメージアップしました(笑)。
ではまた!