仕事で長崎に行ってきました。長崎といえば、グラバー邸。グラバー邸は他の貿易商たちの住宅とともに、見晴らしの良い丘の上のグラバー園のなかにあります。丘の上なのでアクセスがつらそうですが、そこはしっかりエレベーター付き。大変良く整備されています。庭園の中では当時の欧風住宅の前庭などのシュロやソテツがなんともよい具合にコロニアルな雰囲気を醸し出します。
園内外の伸びやかなクスノキも印象的。
ナニワイバラと思われる一重のつるバラや、モッコウバラがちょうど咲き始めていました。園の上の方ではコデマリが満開。
しかしこのガーデンで感動したのは、とにかくロケーション!!ロケーション、ロケーションが素晴らしい。
テラスからは庭の木々の緑、長崎港の海、遠景に稲佐山を望む景色。こんなところに住んでみたい!気持ちの良いテラスにしばし佇み、緑をさらに美しく見せる光と風の存在をしみじみと感じます。
幕末から明治への日本の近代化に貢献したグラバーは、西南雄藩に武器弾薬を供給した武器商人であり、グラバー邸には坂本龍馬をかくまったとされる小部屋などもあるそうです。今は平和そのものの庭園となったこの地を往来した人々は、この風景とは裏腹な心安らかならぬ思いでいたのでしょうか。
ちなみにグラバー園の手前には大浦天主堂(1864年)があり、天主堂から横道を通ってグラバー園にアクセスできます。天主堂は1865年の建立。明治維新の3年前、幕末の動乱期にフランス人のプティジャン神父により、日仏修好通商条約にもとづいてフランス人の礼拝堂として創立されたもの。和洋折衷スタイルの御堂のなかでは、素朴なステンドグラスを通して壁に映るカラフルな光がとてもきれいでした。